気をつけていても、いつの間にかあらわれて見た目年齢を下げてしまう“顔のシミ”。
新たなシミができるのを防いで濃くしないためには紫外線対策が有効ですが、シミを消すためにはプラスアルファのケアも必要です。
シミには大きく分けると4つの種類があり、タイプによって対処法が異なります。
【老人性色素斑】
□急にシミが増えてきた
□ファンデーションはあまり塗らない
□20歳をすぎてから日焼けしたことがある
□少し盛り上がっているシミがある
紫外線の影響や加齢によってできる最も多いタイプのシミ。
色は淡褐色~褐色、できはじめは薄い茶色をしていますが次第に濃くはっきりとしてきます。
突然できたように感じることもありますが、これまでに蓄積された紫外線による影響が肌表面にあらわれてきたもので40歳前後から目立ちはじめます。
左右対称ではないのが特徴で、頬骨の高い位置からできはじめることの多い数mm~数cmの丸い形の色素斑です。
初期の段階(淡褐色)であれば美白成分のひとつ、ビタミンC誘導体でのケアがオススメです。
ビタミンC誘導体には、メラニンの一部を淡色化する効果やメラニンを作る働きを抑制する作用があります。
サプリメントなどでビタミンCを摂取するのも良いですが、肌にはあまり届きませんので直接塗るほうが効果的。
また、ビタミンC誘導体はイオン導入すると約20倍も浸透率がアップし効果が高まるため、イオン導入器との併用がオススメです。
【肝斑】
□30代後半~50代になって突然できた
□左右対称
□妊娠中・ピル服用・更年期にできた
□薄い茶色や灰色で広い範囲のシミがある
女性ホルモンに関連してできると言われているシミで、30代~40代に多く見られます。
色は淡褐色~褐色で灰色っぽく見えるものあり、頬骨から目尻にそって左右対称にできるのが特徴ですが、まれにおでこや鼻の下にあらわれることも。
ホルモンバランスの乱れが影響しているため、妊娠中や更年期、ピルを服用している方にあらわれやすい傾向があります。
また、肝斑には“トラネキサム酸”という内服薬が有効だとされています。
肝斑は、ターンオーバーを整えるピーリング(シェービング)と、美白化粧品でのケアをあわせて行うと改善効果が高まります。
最近では、肌にやさしい処方で手軽に使えるセルフケア用のピーリング剤もたくさんありますが、スクラブ入りの洗顔料などは刺激で肝斑を悪化させる恐れもあるため注意が必要です。
【炎症性色素沈着】
□ニキビができやすく治りにくい
□ニキビ痕や虫刺され痕がなかなか消えない
□ノーメイクで過ごすことが多い
□スキンケアの際に肌をこするクセがある
ニキビや傷による炎症が治まったあと色素沈着によってできるシミで、年齢に関係なく見られます。
色は淡褐色~褐色で青っぽく見える場合もあり、ニキビ痕や足や腕などの消えない虫さされ痕も炎症性色素沈着。
炎症性色素沈着は、時間はかかるものの炎症がおさまると消えていくことが多いようですが、紫外線を浴びるとそのまま残ってしまう場合もあります。
濃くなってしまう前に早めのケアを心がけましょう。炎症性色素沈着に最も即効性があるのはピーリング(シェービング)です。
青っぽく見えるものは、メラニン色素が真皮まで沈着している可能性があり改善には時間がかかりますが、ピーリング(シェービング)とビタミンC誘導体を併用すると効果が高まります。
日焼けすると消えにくくなるので、パウダーファンデーションや日傘を利用して日焼け対策は万全に行いましょう。
ニキビ痕に多く見られる炎症性色素沈着には、新たなニキビも防いでくれる高濃度のビタミンC誘導体入りの化粧水がオススメ。
ビタミンC誘導体には毛穴を引き締める作用もあるため、過剰な皮脂コントロールにも役立ちます。
より効果を高めるためにはコットンパックを。パックをすると翌日には顔色がワントーン明るくなり化粧のりが良くなるのを実感できますよ。
【そばかす】
□10代の頃にできはじめた
□シミの形は三角や四角とバラバラ
□鼻から頬にかけて散らばっている
□肌は色白
雀卵斑とも呼ばれているそばかすは小さなシミではなく、遺伝的な要素によってできるもので多くは10代の思春期頃に目立ちはじめます。
色は淡褐色で頬や鼻を中心に、直径数ミリ以下のものが広範囲にわたってできるのが特徴。
また、厳密にはシミではないものの紫外線対策をおこたると濃くなってしまいます。
シミの形は円というより三角形や四角形で、色白の方に多く見られます。
そばかすは、遺伝的な要素が強いため、美白化粧品などを使用しても完全に消すことは難しいですが、思春期を過ぎてから紫外線の影響で濃くなったものは、ピーリング(シェービング)や美白化粧品で薄くすることが可能です。
肝斑と同様に、美白成分は改善効果のあるハイドロキノンが配合されたものがオススメです。
そばかすを完全に消すのは難しいと言われていますが、お肌のターンオーバーを整え発生したメラニンの生成を抑えることで濃くなるのを防げます。
また、肌全体のくすみがなくなると小さなシミは目立たなくなることも。
メラニンを含んだ古い角質は無理にこそげ落とさずに、低刺激のピーリング剤やシェービングでそっとはがしてあげましょう。
シミ改善に効果的な食べ物
ビタミンC
ビタミンCは、美肌に欠かせない代表的なビタミンで、メラニン色素の沈着を防いで透明感のある美肌を維持する働きがあります。
コラーゲンの合成を助けシワを防いだり、活性酸素の増加を抑え老化を予防する効果も期待できます。
<ビタミンCを多く含む食べ物>
・赤ピーマン
・パセリ
・芽キャベツ
・柿
・キウイフルーツ
・いちご
・レモン
ビタミンE
若返りビタミンとも呼ばれているビタミンEには、血流改善効果があり細胞の新陳代謝を活発にする働きがあります。
また、紫外線から肌を保護する働きもあるため、シミやそばかすの改善に効果が期待できます。
<ビタミンEを多く含む食べ物>
・アーモンド
・ひまわり油
・うなぎのかばやき
・モロヘイヤ
・かぼちゃ
・卵黄
β-カロテン
β-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるので、β-カロテンとしての働きとビタミンAの働きを併せ持つ栄養素です。
皮膚の新陳代謝を高め、スムーズな肌が生まれ変わりを助ける作用があります。
<β-カロテンを多く含む食べ物>
・しそ
・にんじん
・ほうれん草
・みかん
・スイカ
できてしまったシミを改善するには、生活習慣や食事を見直すことも大切です。
シミ改善に効果が期待できる食べ物は次のとおりですが、外食の多い方はサプリメントやドリンク剤を補助的に利用するのも良いですね。
いかがでしたか?
顔のシミを消す方法は今回ご紹介したセルフケア以外にも、クリニックでレーザー治療を受けたり、高濃度の美白クリームを処方してもらうなどの選択肢もあります。
でも、治療には高額な費用が必要になってきますし、強い薬品の使用は新たな肌トラブルを招く恐れもあります。
美容クリニックで治療を受けるのは最後の手段!
まずは、徹底した紫外線対策と普段のスキンケア方法や食事の見直しを行ってみてくださいね。